眼底検査 - 血管や神経の状態を外から目視できる唯一の場所

血液の異常が肉眼でわかる眼底検査

眼底検査

眼底検査の健康診断の内容

区分 項目 基準値
眼底検査 キースワグナー度 0度(正常)
動脈硬化性変化 0度(正常)
高血圧性変化 0度(正常)
糖尿病性変化(SCott) 0度(正常)

眼底は血管の状態を直接観察できる唯一の場所であるため、眼の病気だけではなく、血管の状態から動脈硬化や糖尿病なども発見できます。

健康診断の眼底検査では瞳孔を開く散瞳薬をさして、10分間おいてから診察に入ります。眼に光を当てて、約15倍の拡大率の検眼鏡や眼底カメラを使って、医師が眼の状態を診察します。

医師は主に視神経、網膜、毛細血管の3種類を見ています。視神経の色と大きさ、網膜の反射状況、血管の詰まりを分析していきます。

例えば、視神経にへこみがあると緑内障の可能性がありますし、毛細血管に詰まりがあると糖尿病のリスクが高まります。

具体的な検査項目には主に「キースワグナー度、動脈硬化性変化、高血圧性変化、糖尿病性変化」の4種類があります。結果は各項目とも0度からⅣ度までに分類し、正常や異常の値を健康診断結果に記載します。眼底検査の基準値は0度であれば正常です。

眼底検査の結果で疑える病気

結果原因
所見あり
  • 体調による影響
  • 白内障
  • 黄斑部疾患(黄斑部変性や中心性脈絡網膜症など)
  • 網膜疾患(網膜色素変性症や網膜剥離など)
  • 緑内障
  • 高血圧
  • 動脈硬化
  • 糖尿病
  • 腎臓疾患(腎硬化症や腎不全など)
  • 脳疾患(脳卒中や脳梗塞など)
  • 心疾患(狭心症や心筋梗塞など)

血液の異常が肉眼でわかる眼底検査眼底検査の健康診断結果では白内障、眼底出血、眼底白斑、黄斑変性、網脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、網膜血管硬化症、ドルーゼ、視神経乳頭陥凹大、緑内障などが診断されます。

血管に異常が見られる場合は高血圧、動脈硬化、糖尿病、腎臓疾患、脳疾患、心疾患などを疑うことができます。

眼底検査で所見ありになった場合、再検査と精密検査が実施されます。目の病気に関する精密検査では視力検査、視野検査、色覚検査、眼圧、超音波検査、蛍光眼底造影が一般的です。高血圧や動脈硬化などの血管の病気に関する精密検査では、CTスキャンやMRIが実施されます。

また、眼底検査はすべて専門医が目視で判断するため、多少の誤差は発生しますが、異常が確認されると何らかの体調不良を起こしたり、病気が発症する可能性は高くなります。

キースワグナー度や動脈硬化性変化の説明

キースワグナー度

度数 説明
Ⅰ度 網膜の動脈が若干硬くなっており、高血圧性眼底と判断できます。
Ⅱ度 動脈硬化と判断でき、網膜の血管が閉塞している場合もあります。
Ⅲ度 動脈が顕著に細くなっていて、網膜浮腫、綿花状白斑、出血が確認できます。心疾患や腎臓疾患が疑われます。
Ⅳ度 Ⅲ度に加え、確認できる範囲以上に視神経が眼球に入る部分が腫れた状態である乳頭浮腫になっています。

キースワグナー度は基準値が正常で0度、異常値はⅠ度からⅣ度までに分かれ、Ⅲ度以降では動脈硬化がかなり進んでいると見なされます。

Ⅰ度は高血圧、Ⅱ度は動脈硬化、Ⅲ度は心疾患や腎臓疾患、Ⅳ度は脳障害などを発症する恐れがあります。

動脈硬化性変化

度数 説明
Ⅰ度 網膜の動脈が勢いを増しているように見えます。
Ⅱ度 動脈がより硬く細くなり、血管の太さに違和感が感じられます。
Ⅲ度 血液が濁ったように赤銅色になり、動脈が途中で不自然に交差したりします。
Ⅳ度 血が赤銅色になる銅線動脈がⅢ度よりひどくなり、さらに高度に動脈と静脈が交差します。

動脈硬化性変化は0度が基準値が正常でですが、Ⅰ度からⅣ度までは何らかの異常がある状態です。数値が大きければ大きいほど、動脈硬化と高血圧が進んでいると判断できます。

動脈硬化は血管が硬くなる病気で、血管が狭くなったり、詰まったりするために脳梗塞、狭心症、腎機能障害を引き起こすことがあります。

高血圧性変化

度数 説明
Ⅰ度 網膜の細い動脈が細くなっていきます。
Ⅱ度 I度より著明に動脈が細くなり、血管の太さもバラバラになります。
Ⅲ度 Ⅱ度の所見がさらに著しくなり、網膜出血や白斑を見られるようになります。
Ⅳ度 Ⅲ度に加え、確認できる範囲以上に視神経が眼球に入る部分が腫れた状態である乳頭浮腫になっています。

高血圧性変化は基準値が正常で0度であり、異常があるとⅠ度からⅣ度までのどれかに当てはまります。高血圧性変化も眼底検査と同様に他の数値が大きければ大きいほど高血圧が進んでいると判断できます。

高血圧は血管の圧力が高まる病気で、血管が圧力に耐えるために、動脈の壁が厚くなり、血液が流れる管は狭くなります。

糖尿病性変化

度数 説明
Ⅰ度 大きい静脈がコイル状になったり、毛細血管が詰まっていたりします。
Ⅱ度 出血をし、血の塊が斑模様に見えることがあります。
Ⅲ度 Ⅱ度の所見がさらに著しくなり、出血が融合して、大型の円状の出血を確認できます。
Ⅳ度 水晶体の後方にある硝子体からも出血します。
Ⅴ度 網膜炎が明らかで、全体に赤みが強く残ります。
Ⅵ度 網膜剥離し、眼球が正常な形を留めていません。

他の眼底検査が0を含めた5段階だったのに対し、糖尿病性変化は7段階で結果が出ます。基準値が正常で0度の場合は糖尿病性変化は問題はなく、Ⅰ度からⅥ度になると、すでに何らかの異常が発生しています。

糖尿病は血液中の糖濃度が高くなり、その状態が長く続く病気です。神経障害を引き起こすために、手足がしびれて自由が利かなくなったり、眼に異常が現れると失明したりします。

眼底検査のカッピング疑は緑内障の疑い

体験者の眼底検査では結果が「カッピング疑」で基準値外となりました。過去の検査では正常が続いていましたが、初めての精密検査です。

今回のカッピング疑とは「生理的視神経乳頭陥凹拡大」のことです。生理的は治療の必要がない、病的ではない、異常がない、視神経乳頭は眼球にある血管や神経の出入口、陥凹はへこみが通常よりも大きいことを意味します。

つまり、現時点では「病気とは確定できませんが、眼球の状態が基準値よりもへこんでいる」ことを指摘されました。

仮に視神経のへこみが大きくなりすぎると視野が欠けたり、見える範囲が狭くなる緑内障の可能性が高まりますので、健康診断や人間ドックでカッピング疑となると、眼底検査を含めた眼の精密検査を行います。

体験者の場合は精密検査でも視神経にへこみが見られましたが、眼圧、視野、動体視力の検査では異常がなかったために要観察となりました。

過去にカッピング疑を指摘されると眼球の凹みは戻らず、健康診断では毎回カッピング疑を指摘されるようになりやすいです。体験者も毎年、眼底検査で要再検査と判定されます。

ちなみに生理的視神経乳頭陥凹拡大になる原因は緑内障だけではなく、強度の近視である人にも見られます。体験者は強度の近視であるために、この症状が現れたと考えられますが、強度の近視の人は緑内障になる割合も高いために、今後も継続的な検査が必要です。

眼底検査の体験談

良い

健康診断で行う眼底検査では微細な変化を見逃してしまう可能性があるため、何かしらの異常が見られた場合は、眼科医による精密な眼底検査を受けて、その異常を正確に判定しなければなりません。

私も健康診断では要精密検査でしたが、実際に精密検査を受けたところ、病的な種類の特徴が見られないことがわかりました。

普通

眼底検査では眼底鏡や眼底カメラを用いて眼底の検査を行います。眼底検査のそもそもの目的は緑内障や視神経疾患、硝子体混濁などの眼病を検査することです

しかし、眼底は身体の外部から最も鮮明に血管の様子を確認できる場所であることから、血管にまつわる病気についての検査の意味合いも持っています。

普通

人間ドックでもよく眼底検査が採用されるようになっています。人間ドックの場合は検査時に眼底カメラを用いることが多いようですが、その際には眼底の様子をカメラを用いて鮮明なカラー写真で撮影して確認します。

このようにして眼底検査で眼底の網膜の血管の様子を確認するのですが、その血管の描くパターンには一定の特徴があり、その形状から高血圧、動脈硬化、糖尿病、脳出血などの血管に由来する重篤な病気の兆候を知ることができるとされています。

普通

健康診断で行われる眼底検査は、専用の眼底カメラで眼球にある網膜、脈絡膜、血管、視神経を撮影し、その画像から異常の有無を診断する検査です。緑内障などの目の病気以外にも、動脈硬化や糖尿病といった血管に関連する重篤な病気の有無を判定できます。

私は健康診断で毎回、眼底検査が再検査になります。極度の近視で網膜が緑内障に似た状態になる人がいるらしく、近視は治らないためにこのような結果になってしまいます。

悪い

緑内障で眼球内の圧力が高まっていたり、高血圧や動脈硬化、糖尿病などのある特定の病気になっていると、眼底の血管の作り出す模様に特徴的な変化が現れます。

この変化はそれぞれの病気でほぼ決まった形で現れるため、このパターンを見ることで病気の種類を判定可能です。私の知人も軽度の糖尿病が眼底検査で判明しました。

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公開日公開日 2011.09.14
更新日更新日 2017.09.23

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メディチェ編集部
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