MCV(平均赤血球容積) - 赤血球などの成分バランスを示す

貧血のタイプを明確にするMCVやMCH

MCV

MCV・MCH・MCHCの健康診断の内容

区分 項目 基準値
血球検査 MCV(平均赤血球容積) 84~98fL
MCH(平均赤血球ヘモグロビン量) 26~35pg
MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度) 32~36g/dL

ヘモグロビンや赤血球などの数値が正常値だったとしても、他の成分とのバランスが取れていないとうまく機能しません。そのため、平均的な赤血球の容積、ヘモグロビン量、ヘモグロビン濃度が大切になってきます。

健康診断でMCVを計る場合、血液検査で測定した血液の成分を計算式に当てはめます。通常はMCVだけではなく、MCHとMCHCも一緒に調べます。

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MCV(平均赤血球容積)

MCVとは赤血球1個が持つ平均的な容積のことです。容積が小さいと運べる酸素の量が少なくなり、鉄欠乏性貧血になりやすいです。MCVはヘマトクリットと赤血球の数から計算しています。

MCVの基準値は84~98fLです。体験者のMCVは89fLで基準値内でした。過去の87fL、91fL、92fLより少し減少しています。

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MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)

MCHとは赤血球1個に含まれるヘモグロビン量を平均的に表した数値で、ヘモグロビンと赤血球の数から計算します。

赤血球1個あたりのヘモグロビン量が少ないと、赤血球の機能が弱ってしまうため、酸素と二酸化炭素の運搬サイクルがうまくいかず、鉄欠乏性貧血になりやすいです。

MCHの基準値は26~35pgです。体験者のMCHは30pgで基準値内でした。過去は30pg、31pg、29pgで大きな変化はありません。

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MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)

MCHCとは赤血球に対するヘモグロビンの割合を表した数値です。ヘマトクリットとヘモグロビンから計算します。

MCHCの基準値は32~36g/dLです。体験者のMCHCは34g/dLで基準値内でした。過去の34g/dL、34g/dL、31g/dLから変化は見られません。

MCV・MCH・MCHCの結果で疑える病気

結果原因
MCVが99fL以上で
MCHCが37g/dL以上
  • 体調による影響
  • ビタミンB12欠乏症
  • 葉酸欠乏症
  • 肝臓疾患
MCVが84~98fLで
MCHCが32~36g/dL
  • 体調による影響
  • 再生不良性貧血
  • 溶血性貧血
  • 出血原因貧血(ケガや生理による貧血)
  • 肝臓疾患(肝炎や肝硬変など)
  • 腎臓疾患(腎硬化症や腎不全など)
MCVが84fL以下で
MCHCが32g/dL以下
  • 体調による影響
  • 鉄欠乏性貧血(鉄分不足の貧血)
  • 鉄芽球性貧血
  • 細菌感染症
  • 悪性腫瘍

赤血球が少ない場合は貧血になりますが、貧血には鉄欠乏性貧血や再生不良性貧血など数種類があり、それぞれで治療法も異なります。

例えば、赤血球の値が低くてMCVとMCHCの値も低い場合、赤血球が小さくて色素も薄いと判断できます。その場合は患者数が最も多い鉄分不足による鉄欠乏性貧血に該当します。

一方、赤血球の値が低くてMCVとMCHCは正常値である場合、赤血球が正常の大きさで数だけが少ないです。肝臓疾患や腎臓疾患などの病気による貧血、骨髄の異常が疑われるために、再検査と精密検査が実施されます。

逆に赤血球数が少ないにも関わらず、MCVとMCHCが高い値の場合、赤血球が大きすぎるために、ビタミンB12欠乏症や葉酸欠乏症が疑われます。

MCV・MCH・MCHCに関する補足情報

MCVの計算式

MCVではヘマトクリットは血液中に占める血球の容積の割合を示す数値ですので、このヘマトクリット値を赤血球数で割ると、赤血球1個あたりの平均的な血球の容積を算出できます。

MCV(fL)=ヘマトクリット÷赤血球数×10

計算式は「MCV(fL)=ヘマトクリット÷赤血球数×10」です。MCVの単位であるfLはフェムトリットルと読み、1fは10のマイナス15乗を意味します。

MCHの計算式

MCHではヘモグロビンは赤血球の成分の1つである血色素の数ですので、このヘモグロビン量を赤血球数で割ると、赤血球1個あたりの平均的なヘモグロビン量を算出できます。

MCH(pg)=ヘモグロビン÷赤血球数×10

計算式は「MCH(pg)=ヘモグロビン÷赤血球数×10」です。ちなみにヘモグロビン量の単位であるpgはピコグラムと読み、1pは10のマイナス12乗、1兆分の1を意味します。

MCHCの計算式

MCHCでは赤血球の成分の1つである血色素であるヘモグロビンを、血液中に占める血球の容積の割合を示す数値であるヘマトクリットで割ることで、一定のヘマトクリットあたりのヘモグロビン量を割合で示すことできます。

MCHC(g/dL)=ヘモグロビン値÷ヘマトクリット値

計算式は「MCHC(g/dL)=ヘモグロビン値÷ヘマトクリット値」です。MCV、MCH、MCHCに見られるように、ヘマトクリット、ヘモグロビン、赤血球数を互いに割ることで、赤血球のバランスを一目で判断できます。

MCV・MCH・MCHCの体験談

良い

平均赤血球容積、平均赤血球血色素量、平均赤血球血色素濃度は単体で検査する項目ではなく、ヘマトクリット、ヘモグロビン、赤血球数の数値から計算式によって算出される値です。

これらの数値の目的は主に貧血の種類を特定することです。ヘマトクリット値や赤血球の数を見ることで貧血かどうかを診断することができますが、さらにもう1歩進んでその貧血の種類を診断することができます。

私は貧血持ちで鉄分などを意識的に摂っていますが、なかなか改善しませんでした。内科で平均赤血球容積などを徹底的に検査してもらった結果、悪性貧血の疑いがあり、投薬で治療を行ったために完治することができました。

普通

自動血球計数器法では赤血球数と同時に計算結果として赤血球恒数が3種類出てきます。

MCV、MCH、MCHCの3つを合わせて赤血球恒数と呼びますが、元々の目的としては赤血球の大きさや色の濃さといった性質を、数値として定量的に判断するための基準値を持つことが赤血球恒数の役割です。

赤血球の大きさを判定するためにMCVを使い、色の濃さであるヘモグロビンの量を判定するためにMCHが使われます。私はいつも赤血球が少ないので、MCVやMCHの値が高めです。

普通

基準値は病院や男女で差があるものの、おおよそMCVが89~99fl、MCHが28~35pg、MCHCが31~36%となっています。

これらの数値の結果から貧血の可能性があるかないかを判断できるだけでなく、仮に貧血であれば、それが小球性低色素性貧血、正球性正色素性貧血、大球性高色素性貧血のどれに分類されるのかを調べ、それぞれの症状をさらに詳しく調べる段階へ進めていくためのきっかけになります。

私の場合は貧血気味ですが、鉄分だけではなくタンパク質も摂る必要がありました。

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公開日公開日 2011.09.14
更新日更新日 2017.09.03
執筆者Kirito Nakano

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