胃部X線(レントゲン)検査 - バリウムを飲んで形状を調べる
バリウムを飲んで形を調べる胃部X線検査
胃部X線検査の健康診断の内容
区分 | 項目 | 基準値 |
---|---|---|
胃 | 胃部X線(レントゲン)検査 | 所見なし |
胃部X線検査では胃の形や隆起を画像化して、専門医が消化管の異常を診断します。胃部X線検査は胃だけではなく、食道や十二指腸の状態も検査するために「上部消化管X検査」とも呼ばれています。
胃部X線検査の料金は15,000円ほどです。健康保険組合から補助金が出る場合は、5,000円程度に減額されます。
健康診断で胃部X線検査を計る場合、バリウムを飲んで胃全体を着色し、発泡剤を飲んで胃を膨らませることで、画像を鮮明にします。そのあと、X線照射装置とプレートの間に体を置いて測定します。
- 検査用のガウン、もしくは薄着に着替えます。
- バリウムをゆっくりと飲みます。
- 発泡剤を一気に飲み、ゲップを我慢します。
- 装置に横になり、指示通りに体を動かします。
- 検査終了後に下剤を飲みます。
撮影時間は3分程度ですが、検査時間は全体で10分ほどかかります。胃部X線検査ではゲップを我慢することが苦手な人もいますが、リラックスを心がけて、常につばを飲み込んでいると、ゲップは出にくくなります。
また、検査終了後は下剤を服用して、大量の水分を補給しましょう。下剤でバリウムを排出しない場合、腸で詰まってしまい、腹痛を伴いやすいです。
胃部X線検査の基準値は「正常」です。体験者の胃部X線検査も食道、胃、十二指腸、腹部ともに正常で基準値内でした。過去も正常が続いており、変化はありません。
仮に白い影が見つかった場合、大きさや変形具合より悪性に変わる可能性は指摘できますが、良性腫瘍と悪性腫瘍の区別はできません。
胃部X線検査の結果で疑える病気
結果 | 原因 |
---|---|
所見あり |
|
胃部X線検査の健康診断結果が所見ありの場合、主に逆流性食道炎や食道裂孔ヘルニアなどの食道疾患、胃炎や胃がんなどの胃疾患、十二指腸潰瘍や球部変形などの十二指腸疾患を疑うことができます。
胃部X線検査では病気ではなくとも胃の形や位置、粘膜の様子が正常とは異なる場合、その状態を所見ありとして、健康診断結果に記載します。
例えば、ニッシェはへこんだ粘膜にバリウムが溜まってコブのように突出した状態、粘膜集中は粘膜がひきつれてしまっている状態、不整アレアは炎症やただれにより組織が不揃いに並んでいる症状です。
また、会社員の男性によく見られる粘膜の表面がデコボコになり、粒状に描かれた顆粒状変化が目立つと、慢性萎縮性胃炎と診断されます。
胃部X線検査に関する補足情報
胃腸に負担をかけないように食生活を改善する
胃腸は摂取した食べ物を消化、吸収する器官であるため、食べ物による刺激をできるだけ少なくすることが、胃腸に負担をかけないコツです。
牛乳、脂肪の少ない肉類、豆腐などの高タンパク質を含んだ食事は胃粘膜を強化し、修復します。動物性の脂肪よりも植物性の脂肪のほうが胃を安静に保ちます。緑黄色野菜が好ましいです。
また、睡眠不足、便秘、喫煙、運動不足、ストレス、内服薬は胃腸機能を低下させます。コーヒー、アルコール、香辛料の過剰摂取もやめたいです。
特に喫煙は胃の粘膜に栄養を補給する血液の流れを低下させ、胃粘膜の抵抗力を低下させます。健康のためには必ず禁煙したいです。
胃部X線検査の体験談

35歳以上の健康診断や人間ドックでは胃部X線検査が行われます。ただ、私は胃腸が弱いタイプだったため、20代のころから胃部X線検査を受けていました。
私は胃部X線検査が苦手です。バリウムと発泡剤は問題ないのですが、健康診断が終わってから数時間後にバリウムが腸に詰まりやすく、お腹が突き刺すように痛くなります。
ただ、下剤を多めに貰うようにしてからはこの症状はなくなりました。お腹が弱い人は2倍の下剤を飲むことをおすすめします。

私は胃炎が見つかりましたが、そこまで緊急を要する症状ではない場合、医師からは胃の状態を改善するための食事療法が指示されます。例えば、胃粘膜を保護するための高タンパク食品を摂り、緑黄色野菜を積極的に摂るなどです。
また、喫煙者は禁煙を促され、コーヒーやアルコールなどの嗜好品の摂取はできるだけセーブすることになります。とにかく胃へのストレスを減らすことができると、胃炎の症状は改善していくことがわかりました。

35歳を過ぎた人たちが受ける人間ドックでは必ず行う検査項目です。造影剤であるバリウムを飲んで、さまざまな姿勢でレントゲン撮影を受けます。私は若干飲みやすくなってきたとは言え、バリウムを飲むのはかなり苦痛に感じるので、この検査は苦手です。
ただ、胃の内部や食道、十二指腸、小腸の検査は主に胃部X線検査でしか行えないものですので、やらざるを得ません。

検査前に発泡剤を飲んで思わずゲップが出そうになった経験は誰でもあるでしょうが、そこでゲップをしてしまうと胃を膨らませることができなくなるので、看護師に「ゲップを我慢してください」と厳しく言われます。個人的には健康診断の中で最も面倒な検査だと思います。

バリウムを飲まなければラクですが、胃腸や食道はバリウムのような造影剤を飲まないと、消化器官の中の空気が黒く写るだけで何も見えないです。そのため、バリウムを飲んで消化器官の形状やひだの状態を造影する必要があります。
また、一緒に飲む発泡剤は胃の中で空気を作ることで胃を膨らませて細かい箇所までもしっかりと写るようにする意味があります。

食道であれば食道がんやポリープの有無、胃であれば胃がん、胃炎、ポリープの有無、十二指腸であれば十二指腸潰瘍など、また小腸はその働き自体が正常に機能しているかどうかを確認することが可能です。
胃部X線検査で何らかの異常が見つかった場合はすぐに症状に応じた精密検査を行って病巣の特定を行わねばなりません。
ただ、私も中高年とは言ってもまだ若い世代であったり、体に何も異変を感じていない状態であれば、それほど大きな異常が見つかることはまれなようです。

私はこの検査でポリープが見つかりました。ポリープは胃の粘膜の表面から発生した突起物です。前回も見つかっていて、形は山のようだったのですが、今回はキノコのような形をしていました。
再検査では良性だったというより、ポリープ自体が良性であることを意味しますが、病変で悪性化する可能性もあるとのことで、ポリープが見つかったら必ず精密検査をするようにしています。
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