乳酸脱水素酵素(LDH) - 値が高い人は肝炎や肝臓がんに注意

心筋障害や血液疾患でも上昇する乳酸脱水素酵素

乳酸脱水素酵素

乳酸脱水素酵素の健康診断の内容

区分 項目 基準値
肝機能 乳酸脱水素酵素(LDH) 100~230U/L

乳酸脱水素酵素は体内で糖がエネルギーに変わるときに働く酵素です。肝臓、心臓、腎臓などで作られて、肝臓の細胞に広く存在するため、この値が上昇すると肝機能障害の可能性が高まります。

例えば、急性肝炎の初期や肝がんなどになると、病気になった肝臓周辺にある細胞群が壊死してしまい、それらが血液中に流れ出ることで、細胞に含まれていた乳酸脱水素酵素が血中で増えていきます。その結果「乳酸脱水素酵素の上昇=肝臓疾患」が疑われます。

健康診断で乳酸脱水素酵素を計る場合、硫酸亜鉛混濁テストなどと同様に血液検査から測定します。乳酸脱水素酵素の基準値は100~230U/Lです。体験者の乳酸脱水素酵素は111U/Lで基準値内でした。過去は131U/L、123U/L、113U/Lで大きな変化は見られません。

乳酸脱水素酵素の結果で疑える病気

結果原因
基準値より高い
  • 体調による影響
  • 遺伝による影響
  • 白血病
  • 悪性貧血
  • 急性ウイルス肝炎
  • アルコール性肝炎
  • 肝硬変
  • 肝臓がん
  • 急性膵炎
  • 腎不全
  • 大腸がん
  • 心筋梗塞
  • 肺梗塞
  • 悪性リンパ腫
  • 筋ジストロフィー
基準値より低い
  • 特に異常なし

乳酸脱水素酵素の健康診断結果で高い値が出た場合、肝臓疾患、膵臓疾患、腎臓疾患、心疾患、肺疾患などを疑うことができます。

ただ、それでは対象となる臓器が多すぎるため、精密検査では乳酸脱水素酵素を臓器別に5種類に分けます。これは「LDHアイソザイム」と呼ばれる検査方法です。LDHはlactic dehydrogenation enzyme(乳酸脱水素酵素)の略であり、アイソザイムはiso zyme(同じ酵素)という意味です。

例えば、LDH1とLDH2のみが高いときは溶血性貧血、腎梗塞、心筋梗塞、悪性腫瘍、筋ジストロフィーが原因です。LDH2とLDH3のみが高いときは白血病、肺梗塞、リンパ肉腫の可能性が高くなります。LDH5のみが上昇したときは肝臓疾患、悪性腫瘍、筋ジストロフィーが疑われます。

乳酸脱水素酵素に関する補足情報

GOTと比較する乳酸脱水素酵素

人体はぶどう糖から必要なエネルギーを得る過程において、乳酸脱水素酵素の働きでピルビン酸を乳酸に変換します。乳酸脱水素酵素は私たちの生命活動に欠かせない酵素です。

乳酸脱水素酵素は各種臓器に広く存在していますが、特に血液、肝臓、腎臓、肺、筋肉に多く含まれています。そのため、乳酸脱水素酵素の値だけではどの箇所に異常があるかは判明しません。がん細胞にも多く含まれているために、乳酸脱水素酵素の極端な増加は危険信号にもなり得ます。

乳酸脱水素酵素が異常値だったときは、まずはGOTの値を確認してみましょう。肝臓疾患では乳酸脱水素酵素とGOTの両方が上がりますが、例えば、乳酸脱水素酵素が1,000U/L、GOTが80U/Lのケースでは、GOTが上昇していないために肝臓疾患ではないと考えられます。

この場合は血液中の乳酸脱水素酵素のみが多いために、溶血性貧血や悪性腫瘍などの可能性が高いです。一般的には「乳酸脱水素酵素÷GOT」が30以上になると溶血性貧血や悪性腫瘍、10~29は膵臓疾患や腎臓疾患、10未満で肝臓疾患が疑われます。

また、GPTやγ-GTPなどの値を確認することも有効です。これらが基準値内にあれば、肝臓は問題ないと判断されます。

乳酸脱水素酵素の体験談

悪い

LDHは肝機能の検査の項目として入ってはいますが、元々は体が糖からエネルギーを作り出すときに機能する酵素です。

そのため、肝臓以外にも、腎臓、肺、骨格筋、心臓、赤血球など、体内のいたる所の細胞に含まれている酵素で、肝臓の働きだけに関係して数値が上下はしません。体のいずれかの器官の細胞が損傷を受けた場合に、そこからLDHが血液中に流れて、血液検査で高い数値になります。

ただ、LDHは器官別に5種類あり、その種類を調べることで発生箇所を特定することができます。私はLDH5が高かったので、結局は肝臓を患っていました。

悪い

検出されたLDHのアイソザイムがLDH1~5のどれにあたるかを調べることで、どの臓器に損傷があるのかをある程度推定することが可能です。これをLDHアイソザイム分析とも言います。アイソザイムとは「同じ種類で同じ作用を持っているが、構造が異なる酵素」を意味します。

健康診断ではLDHアイソザイム分析までは行いませんが、健康診断の結果で乳酸脱水素酵素が基準値から大きく外れていた場合などに、2次検査として行います。ただ、アイソザイムの特定ができても、ある程度の損傷部位が絞られるだけですので、私も精密検査は行いました。

悪い

乳酸脱水素酵素はほぼすべての細胞内に存在する酵素ですが、特に肝臓、腎臓、心筋、骨格筋、赤血球などに多く含まれているため、これらの臓器に問題があった場合、血液中に大量の乳酸脱水素酵素が流れ出します。

そのため、乳酸脱水素酵素の量を調べることで、これらの臓器の状態がわかります。健康診断で乳酸脱水素酵素が高い数値になった場合、まずはその数値が本当に病気によるものかどうかを判断します。

例えば、乳酸脱水素酵素は検査前に運動をするとその数値が上昇してしまいます。1度上昇した乳酸脱水素酵素はなかなか下がりませんので、検査前は運動をできるだけ避ける必要があります。

また、私のように本当に乳酸脱水素酵素の数値が高かった場合、次のステップとしては問題のある臓器の特定を行うために検査に進みます。私は腎臓に問題があり、現在、治療中です。

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公開日公開日 2011.09.14
更新日更新日 2017.09.03

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メディチェ編集部
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