総ビリルビン(T-Bil) - 病気になると異常に上昇する黄色い色素

胆汁の排泄障害などで上がる総ビリルビン

総ビリルビン

総ビリルビンの健康診断の内容

区分 項目 基準値
胆機能 総ビリルビン(T-Bil) 0.2~1.5mg/dL

総ビリルビンは血液を循環する黄色の色素のことです。人など多くの動物の尿や便の黄褐色は、このビリルビンに由来しています。

ビリルビンは赤血球やコレステロールが壊れたときに出る物質です。血流に乗って肝臓に入り、肝臓から分泌する胆汁の成分として、胆嚢に貯められています。次に胆嚢から胆管を通って、十二指腸と小腸をすり抜けて、最後は腎臓で尿に混じったり、大腸で便に含まれて、体外に排出されます。

血液中のビリルビン量は体調による変動幅が大きいですが、普段は血液中にはごく少量しか存在せず、病気になると異常に大きく上昇します。そのため、血液検査で胆嚢や肝臓の状態を知るための重要な項目になっています。

健康診断で総ビリルビンを計る場合、コリンエステラーゼなどと同様に血液検査から測定します。総ビリルビンの基準値は0.2~1.5mg/dLです。体験者の総ビリルビンは1.2mg/dLで基準値内でした。過去は1.1mg/dL、0.9mg/dL、1.5mg/dLで増減を繰り返しています。

総ビリルビンの結果で疑える病気

結果原因
基準値より高い
  • 体調による影響
  • 遺伝による影響
  • 高ビリルビン血症
  • 溶血性貧血
  • 急性肝炎
  • 慢性肝炎
  • うっ血肝障害
  • 脂肪肝
  • 肝硬変
  • 肝臓がん
  • 膵臓疾患(急性膵炎や慢性膵炎など)
  • 膵臓がん
  • 胆嚢疾患(胆嚢炎や胆嚢結石など)
  • 黄疸(体質性黄疸や閉塞性黄疸など)
  • バセドウ病
  • 敗血症
基準値より低い
  • 特に異常なし

総ビリルビンの健康診断結果で基準値を超えていた場合、溶血性貧血、急性肝炎、慢性肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝臓がん、膵臓がん、胆嚢炎、胆嚢結石、胆管炎、体質性黄疸、閉塞性黄疸、敗血症などを疑うことができます。

黄疸は黄色い色素であるビリルビンが、正常に尿や便で排出されず、血液に漏れ出ている状態です。これは肝臓や胆嚢がうまく機能せずに、ビリルビンが処理できていないことを意味します。皮膚や白目が黄色いと感じる人はすぐに病院で再検査を受けましょう。

総ビリルビンが1.6~2.0mg/dLなど、軽度の基準値オーバーである場合は再検査をすることで、基準値内に収まる症例も多いです。この場合は体調による一時的な変化と考えられます。

一方、値が3.0mg/dL以上のように基準値上限の2倍以上になった場合は、肝臓、胆嚢、胆道などに異常がある可能性は高くなります。特に20mg/dLを超えている場合は、すでに何らかの病気が発症していると考えられます。

総ビリルビンに関する補足情報

間接ビリルビンと直接ビリルビンの違い

総ビリルビンは「間接ビリルビン+直接ビリルビン」の総称です。総ビリルビンの基準値0.2~1.5mg/dLも、間接ビリルビンの基準値0~0.8mg/dLと直接ビリルビンの基準値0~0.7mg/dLを合算した値になります。

間接ビリルビンとは約120日の寿命がある赤血球が壊れて、赤血球内のヘモグロビンが分解してできる黄色の色素です。つまり、間接ビリルビンは元々はヘモグロビンの一部でした。

ヘモグロビンが鉄、一酸化炭素、ビリベルジンに分解され、さらにビリベルジンが還元されてできた物質が間接ビリルビンになります。その後、間接ビリルビンが肝臓に運ばれて、タンパク質と結合すると「直接ビリルビン」と呼ばれるようになります。

通常、直接ビリルビンは胆汁の成分として肝臓から胆嚢、十二指腸に送られたあとに小腸を経由して、大部分は腎臓や大腸から体外に排出されます。

胆汁は肝臓で生成される黄褐色の液体です。体内にある廃棄物が水溶性の場合は、腎臓でろ過されて尿として排泄されますが、水に溶けない廃棄物は肝臓で処理して胆汁に変えて、便に含ませながら排出されます。

ここで肝機能の低下や胆道系の病気があると、胆汁が十二指腸へ出られません。行き場のなくなった直接ビリルビンは血液中に大量に流れ込みます。

そのため、黄色い色素の直接ビリルビンの影響で白目の部分や皮膚を黄色くなり、黄疸と判断されます。黄疸は肝機能の低下を表しますので、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

総ビリルビンの体験談

良い

ビリルビンは赤血球が死んでヘモグロビンが分解されたあとにできます。ビリルビンには肝臓でタンパク質と結合する前の間接ビリルビンと、肝臓に運ばれたあとにタンパク質と結合した直接ビリルビンの2種類があり、その両方を足しあわせたものを総ビリルビンと言います。

間接ビリルビンと直接ビリルビンの比は1:1とされています。総ビリルビンの基準値は血液1dL中に0.3~1.2mgとなっており、これよりも多い場合には異常値ということになります。私は以前は1.8mgと少しオーバーしていましたが、何もしないで0.8mgまで下がりました。

良い

私は総ビリルビンの基準値である1.5mg/dLを超えてしまいました。1.7mg/dLだったために軽度でしたが、ビリルビンは皮膚や粘膜に沈着するため、重度になると黄疸の症状が見られるようになります。

ビリルビンは肝臓から排出され、胆管を通って体内にめぐります。そのため、肝機能が低下していることと胆管が閉鎖的であることの2つの原因が考えられます。

私の場合は数値が低いために経過観察となり、どちらが原因かははっきりしませんでしたが、特に何もすることなく、次の健康診断では基準値内に収まっていました。

良い

生まれたばかりの赤ちゃんの50%以上には黄疸が出るとされています。赤ちゃんが必要以上の赤血球を持って生まれてくるためで、それを肝臓で処理するときに黄色い液体であるビリルビンが大量に出るからです。誕生後2~5日目になるに連れて色は濃くなり、1週間で消えていきます。

普通

直接ビリルビンや間接ビリルビンにも基準値はあり、直接ビリルビンは0~0.3mg、間接ビリルビンは0~0.7mgとなっています。

一般的に直接ビリルビンの数値が基準値を上回る場合は肝炎や肝硬変、肝がんなどの可能性があり、間接ビリルビンの数値が基準値を上回る場合は貧血や溶血性疾患などが疑われます。

これは間接ビリルビンのみが高くなっている場合は肝臓自体ではなく赤血球が多く破壊されている可能性が高いためです。また、直接ビリルビンのみが上がる場合には肝臓の機能低下の他にもビリルビン排出に関連する胆道の障害についても疑われます。

普通

私は血液検査でビリルビン値が基準値を外れたことはありませんが、普段からアルコールの摂取量が多めなので、肝機能についての検査項目はγ-GTPなどとともに常に気をつけて結果を見るようにしています。

普通

皮膚の色が黄色く変色してくるなど、明らかな黄疸が見られるようになる数値は総ビリルビンが3.0mg/dLを超えたあたりからとされています。

それよりも低い値であっても肝臓の機能に何らかの障害が発生している可能性が高いため、総ビリルビン値が基準値を少しでも超えた場合は、より詳細な検査を受けることが推奨されています。

まれに体質的にビリルビンの数値が高めの人もいます。そのような方は前回の値と比較するようにしましょう。

悪い

肝臓に何らかの問題がある場合に発生する症状としてよく知られている黄疸ですが、黄疸の症状である眼球や皮膚などの組織が黄色く変色する原因は、ビリルビンという物質が体内に大量に蓄積されるからです。私もビリルビンが3.6mg/dLもあったため、皮膚が黄色っぽくなりました。

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公開日公開日 2011.09.14
更新日更新日 2017.09.03

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メディチェ編集部
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