総蛋白(TP) - 肝機能が低下すると基準値6.5g/dLを下回る

多すぎても少なすぎてもリスク大の総蛋白

総蛋白

総蛋白の健康診断の内容

区分 項目 基準値
胆機能 総蛋白(TP) 6.5~8.0g/dL

総蛋白とは血液中にあるタンパク質の量を計る検査項目です。食事に含まれるタンパク質は、十二指腸でアミノ酸に分解されてから、小腸で吸収されます。そのアミノ酸が肝臓に運ばれると、主にアルブミンとグロブリンというタンパク質に再合成され、血液中に流される仕組みです。

総蛋白=アルブミン+グロブリン

そのため、健康診断における総蛋白は、栄養を維持するアルブミンと免疫防御に働くグロブリンを合わせた数値を意味しています。

これらは体の維持には欠かせないタンパク質ですので、健康な人は総蛋白の値が一定の範囲に収まりますが、病気になるとその比率が増減し、特に数値が低いときは栄養不足や肝臓疾患などが疑われます。

健康診断で総蛋白を計る場合、注射器で血液を採取します。血液は血球検査、肝機能、血中脂質など、合計30項目以上の検査で使われるため、一般的には注射器2本分が必要です。

総蛋白の基準値は6.5~8.0g/dLです。以前の基準値は6.5~8.2g/dLでしたが、2012年4月に変更されました。

体験者の総蛋白は7.8g/dLで基準値内でした。過去の7.7g/dL、7.7g/dL、7.5g/dLからあまり変わっていません。

総蛋白の結果で疑える病気

結果原因
基準値より高い
  • 体調による影響
  • 脱水症
  • 高タンパク血症
  • 多発性骨髄腫
基準値より低い
  • 体調による影響
  • 遺伝による影響
  • 栄養不足
  • 低タンパク血症
  • ネフローゼ症候群
  • 肝臓疾患(肝炎や肝硬変など)
  • 蛋白喪失性胃腸症
  • 悪性腫瘍

総蛋白の健康診断結果で高い値だった場合、脱水症、高タンパク血症、多発性骨髄腫などを疑うことができます。

逆に低い値だった場合は低タンパク血症、ネフローゼ症候群、肝炎、肝硬変悪性腫瘍などのリスクが上がります。異常値別の発症割合としては、肝臓の病気に伴う総蛋白の低さが目立ちます。肝臓で総蛋白が生成されるために、肝臓の異常は総蛋白値の低下につながります。

ただし、食生活の異常でタンパク質などの栄養が摂取できない、消化器の異常で肝臓までタンパク質をうまく運べない、腎臓の異常で尿にタンパク質が排出されてしまうといった他の臓器の病気も考えられます。

総蛋白に関する補足情報

70%を切除しても肝臓は再生する

肝臓は人工臓器として実用化することが困難なほど、臓器の中では非常に多機能であることが知られています。それは肝臓が生命を維持する上で必要な糖質、タンパク質、脂質の代謝をコントロールしているからです。

例えば、アルコールを分解する、アンモニアを尿素へ変換する、食物の消化を助ける胆汁を生成するなど、常に活発に動いています。

さらに肝臓は再生能力が高く、肝臓を作る一部の細胞が壊死したとしても、細胞分裂を繰り返して元に戻る事が可能です。そのため、肝臓の病気で70%を切除しても1年以内に元の大きさに戻ります。

ただし、肝臓がんのように一部分に不具合が出たときは切り取ることで、再生を促せますが、肝硬変で肝臓全体の機能が低下していると、切除しても残された部分はすでに悪化しているため、再生することはできません。

また、肝臓は過度のアルコール摂取などで病気になり得る臓器ですが、初期の自覚症状はほぼありません。そのため、自覚症状が出る頃には肝機能が低下し、病気が悪化していることもありますので、健康診断結果の異常値には敏感に反応したいです。

総蛋白の体験談

良い

総蛋白の量が少ない場合、ネフローゼ症候群などの腎機能の低下が疑われます。逆に総蛋白の量が多すぎる場合は、肝炎などの肝機能の低下の可能性があります。

ただ、私の場合は急激なダイエットなどの影響で軽い脱水症になっていたため、血液に対する総蛋白の割合が多くなったという経験があります。その後はダイエットをやめたことで、総蛋白は基準値に戻りました。

普通

タンパク質は肉、魚、卵、牛乳、大豆などの食品に多く含まれています。タンパク質を摂ると消化管で分解され、数十種類のアミノ酸となって肝臓に運ばれます。

肝臓ではアミノ酸を体内で吸収できるように製造します。製造された血液中のタンパク質は100種類以上あり、それらはアルブミンとグロブリンに分類できます。アルブミンは血液中の水分を一定に保ち、グロブリンは抗体を作る免疫機能を果たしています。

この血液中のタンパク質の量に異常ですと、肝臓の製造機能が異常か、腎臓で作り出す尿の不具合でタンパク質が漏れてしまったかによります。私の場合は今は改善していますが、前者の肝臓の疾患が原因でした。

悪い

総蛋白は血液中に含まれるタンパク質の総量を示しています。そのタンパク質の中でもアルブミン、α1グロブリン、α2グロブリン、βグロブリン、γグロブリンの計5種類が総蛋白として検査されます。

仮に総蛋白が基準値内でもアルブミンとグロブリンの割合が崩れると、胆嚢に異常が見られます。そのため、総蛋白に加えて、アルブミンやグロブリンの値も確認しましょう。私はアルブミンが少なかったです。

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公開日公開日 2011.09.14
更新日更新日 2017.09.03

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メディチェ編集部
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