アルブミン(ALB) - グロブリンとの割合を計るA/G比が重要

血液中のタンパク質の増減がわかるアルブミン

アルブミン

アルブミンの健康診断の内容

区分 項目 基準値
胆機能 アルブミン(ALB) 4.0g/dL~
A/G(アルブミン/グロブリン)比 1.0~2.3

アルブミンは血液中を流れるタンパク質の約50~65%を占めており、体を動かす重要な物質です。そのため、アルブミンが血液1dL中3.8g以下になると栄養状態の低下を意味します。

健康診断でアルブミンを計る場合、総蛋白などと同様に血液検査から測定します。通常はアルブミンだけではなく、アルブミンとグロブリンの比率であるA/G比も一緒に調べます。

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アルブミン

アルブミンは老化すると減少しやすいために、アルブミンの量で老化の進行状態を計ることもできます。例えば、アルブミンが血液1dL中0.2g低下した人は、握力が平均で約6kgも下がった研究結果もあるほどです。

また、栄養状態を改善するために、65歳以上に油脂類と動物性タンパク質の摂取について、魚と肉で均等になるように栄養指導したところ、アルブミン値が上昇した例がありました。

アルブミンの基準値は4.0g/dL~です。以前の基準値は3.8~5.2g/dLでしたが、2012年4月に変更されました。

体験者のアルブミンは4.8g/dLで基準値内でした。過去は4.7g/dL、4.9g/dL、4.8g/dLですので大きな変化は見られません。

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A/G比

A/G比とはアルブミン/グロブリン比の略で、血液中にあるアルビミンとグロブリンの比率を計ります。概算ではアルビミンが2/3とグロブリンが1/3の割合で存在していますので、この割合に異常がないかを調べます。

アルブミンの量は加齢などでも単純に減少しますので、グロブリンの量とのバランスが大切です。このグロブリンは他のタンパク質を包みこむタンパク質で水に溶けにくく、免疫力に関係しています。

A/G比の基準値は1.0~2.3です。以前の基準値は1.0~2.0でしたが、2012年4月に変更されました。体験者のA/G比は1.6で基準値内でした。過去は1.6、1.8、1.8で少し減っています。

アルブミンの結果で疑える病気

結果原因
アルブミンが基準値より低い
  • 体調による影響
  • 遺伝による影響
  • 加齢による影響
  • 栄養不足
  • 拒食症
  • ネフローゼ症候群
  • 低タンパク血症
  • 肝臓疾患(肝炎や肝硬変など)
  • 腎臓疾患(腎硬化症や腎不全など)
  • 蛋白喪失性胃腸症
  • 悪性腫瘍
A/G比が基準値より高い
  • 体調による影響
  • 遺伝による影響
  • AIDS(後天性免疫不全症候群)
  • 副腎皮質ステロイド薬使用
A/G比が基準値より低い
  • 体調による影響
  • 遺伝による影響
  • 多発性骨髄腫

アルブミンが低い値のときは、栄養不足、ネフローゼ症候群、低タンパク血症、肝臓疾患、腎臓疾患、蛋白喪失性胃腸症などが疑われます。

アルブミンは肝臓で合成されているために、アルブミン値を計ることで肝臓の機能を検査することができます。例えば、日常的にアルコールを飲みすぎると肝機能が低下して、アルブミンの量が減っていくため、アルブミンを基準値に戻すためには、節酒が求められます。

アルブミンが基準値内である場合、別のタンパク質であるグロブリンとの比率であるA/G比で病気を診断します。

A/G比が基準値より高いときは、グロブリンが基準値より低く、分子のアルブミンに対して分母のグロブリンが減っているということです。この場合はAIDSや副腎皮質ステロイド薬使用が疑われます。

A/G比が基準値より低いときは、グロブリンが基準値より高く、分子のアルブミンに対して分母のグロブリンが増えているということです。この場合は多発性骨髄腫のリスクが増加します。

アルブミンに関する補足情報

血液の浸透圧を保つアルブミン

アルブミンはカルシウムやホルモンを運んだり、浸透圧により血液の水分量を調整する役割があります。浸透圧は高濃度の液体と低濃度の液体が接触すると、混じりあって同じ濃度の液体になる現象と似ています。

血管の内側はアルブミンが混ざることで、濃い液体となります。血管の外側はアルブミンが混ざらないために、水分量の多い薄い液体となります。

その結果、血管外から血管内に水分が流入するわけです。アルブミンが増えると、浸透圧で血管内の水分量を保持できますし、アルブミンが減ると、浸透圧で血管内の水分が出ていきます。肝臓がアルブミンの排出量を調整することで、血管内の水分量を調整することができます。

逆に肝臓疾患でアルブミンが作られなくなると、血管内の水分が血管外に出ていくため、肝臓疾患の症状の1つとして、足がむくむ現象が起きます。

血管内で浸透圧が起こる仕組み

高濃度と低濃度の2つの液体があるとします。これを半透膜で隔てて接触させてみます。半透膜とは水のような小さな分子だけを通し、タンパク質のような大きな物質は通さない膜のことです。

そうすると、高濃度の液体に低濃度の液体にある水だけが移動します。これで高濃度の液体には水が増えて、低濃度の液体からは水が減りました。その結果、高濃度の液体と低濃度の液体は同じ濃度に保たれます。

この半透膜に小さな分子だけが通り抜ける現象を浸透と呼び、このときの移動で半透膜にかかる圧力のことを浸透圧と呼びます。

人間の体では高濃度の血管内の液体と低濃度の血管外の液体があり、血管壁が半透膜となって、アルブミンの量で濃度を調整しています。

4種類に分類できるグロブリン

健康診断ではグロブリンを単体で検査することはないため、グロブリン量の計測は病院などでの精密検査に限ります。

精密検査ではグロブリンはα1、α2、β、γに細かく分類され、それぞれの数値による推測できる病気が異なります。

分類基準値説明
α12.8~4.1%基準値より高いときは低タンパク血症、急性炎症性疾患、慢性炎症性疾患、基準値より低いときは急性肝炎が疑えます。
α25.7~9.9%基準値より高いときはネフローゼ症候群、急性炎症性疾患、基準値より低いときは低タンパク血症や肝臓疾患などが疑えます。
β6.1~10.7%基準値より高いときはネフローゼ症候群、溶血性貧血、妊娠中、基準値より低いときは肝炎が疑えます。
γ9.0~18.3%基準値より高いときは肝臓疾患(肝炎や肝硬変など)、慢性炎症性疾患、骨髄腫、自己免疫疾患、基準値より低いときは低タンパク血症、ネフローゼ症候群、無グロブリン血症が疑えます。

アルブミンの体験談

良い

単身赴任でインドネシアに1年間在住しています。その間に食生活の影響で体重5kg減少しました。体調は悪くないのですが、健康診断結果でアルブミンが3.0mgまで減っていて、A/Gも0.8に下がってしまいました。

過去の結果を見なおしてみると、健康なときはアルブミンとグロブリンの比が一定の割合を保っています。アルブミンは肝臓以外で作られることはなく、肝機能障害があるとアルブミンが低くなり、一方でグロブリンの増加が起こり、A/Gが低くなります。

ただ、その後食生活の改善に努めて、栄養を十分に摂るようにしたら、また元の値に戻りました。軽度な異常値であれば、意外と1年以内に戻ることがわかりました。

普通

アルブミンは肝臓で作られるタンパク質のため、肝臓の機能に何らかの異常が生じた場合に血液中のアルブミンの量が変化します。特に肝炎の場合は肝臓で作られるアルブミンの量が急激に減るため、その症状を早期に発見するサインになります。

アルブミンの基準値は4.0g/dL以上です。数値が低い場合は、すぐに精密検査を行う必要があります。特に3.8g/dLを下回る場合には肝機能に何らかの異常が発生している可能性が高いため、注意が必要です。

一時的な栄養状態によってもアルブミンの数値は変化しますが、単に栄養失調のみでアルブミンが基準値を下回ることは考えにくいため、肝炎や肝がんなどの重篤な病気の可能性も疑われます。

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公開日公開日 2011.09.14
更新日更新日 2017.09.03
執筆者Kirito Nakano

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