カルシウム - 基準値以上で副甲状腺機能亢進症や悪性腫瘍の疑い

筋肉や神経を動かす血液中のカルシウム

カルシウム

カルシウムの健康診断の内容

区分 項目 基準値
腎機能 カルシウム 7.9~11.0mg/dL

体内にあるカルシウムの99%は骨や歯の成分として蓄積されるため、血液中に存在する量はごくわずかです。ただ、血液中のカルシウムも筋肉や神経を動かしたり、血液量の調整、血液を固めるなどの重要な働きをします。

そのため、血液中のカルシウムは常に一定量に維持されており、特に体に大きな病気や異変がない限りは、カルシウム濃度は変化しません。

仮にカルシウムの量が増えている場合は、カルシウムの濃度を調整する副甲状腺の機能が病的に高まってしまう副甲状腺機能亢進症、もしくは悪性腫瘍の影響で骨からカルシウムが溶け出していることなどが考えられます。

健康診断でカルシウムを計る場合、クロールなどと同様に血液検査で測定します。カルシウムの基準値は7.9~11.0mEq/Lです。体験者のカルシウムは9.8mEq/Lで基準値内でした。過去も9.7mEq/Lでほとんど変化は見られません。

カルシウムの結果で疑える病気

結果原因
基準値より高い
  • 体調による一時的な異常値
  • 遺伝による影響
  • 高カルシウム血症
  • 腎臓疾患(腎硬化症や腎不全など)
  • 尿管結石
  • 副甲状腺機能亢進症
  • 悪性腫瘍
  • 多発性骨髄腫
  • 悪性リンパ腫
基準値より低い
  • 体調による一時的な異常値
  • 遺伝による影響
  • 加齢による影響
  • 栄養不足
  • 低アルブミン血症
  • ネフローゼ症候群
  • 低カルシウム血症
  • 肝臓疾患(肝炎や肝硬変など)
  • バセドウ病
  • サルコイドーシス
  • 悪性腫瘍
  • くる病
  • 妊娠中
  • 喫煙者

カルシウムの健康診断結果で値が高い場合は、高カルシウム血症、腎硬化症、腎不全、尿管結石、副甲状腺機能亢進症、悪性腫瘍、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫などを疑うことができます。

患者数としては血液のカルシウム濃度をコントロールする副甲状腺の病気、骨を侵食させるホルモンを分泌する悪性腫瘍、急性腎不全の割合が多いです。また、高カルシウム血症になると、尿管結石なども併発します。

逆に値が低い場合は、栄養不足、低アルブミン血症、ネフローゼ症候群、低カルシウム血症、肝炎、肝硬変など、バセドウ病、サルコイドーシス、悪性腫瘍、くる病などを疑うことができます。

慢性的にカルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度を一定に保つために、骨からカルシウムが抜け出てきます。その結果、骨粗鬆症になる可能性が高まります。

ただし、基準値を多少外れる程度のわずかな異常値の場合、カルシウムの吸収と排出を担うビタミンDの摂取量が過剰であったり、一時的に欠乏していることが考えられます。単純にカルシウムの摂取量が少ない人や日常的に栄養バランスが崩れている人も、基準値より低く出ることがあります。

これらの場合は普段の食生活の中でビタミンDやカルシウムをバランスよく摂取したり、サプリメントで補給すると数値が改善しやすいです。

カルシウムに関する補足情報

牛乳を飲みすぎると体に悪い

カルシウムは日本人に不足しがちな栄養素の1つです。そのため、カルシウムが豊富な牛乳を日常的に飲む人も多いですが、実は「牛乳=体に悪い」という主張や研究が広がっています。

牛乳を飲むと逆に体内のカルシウムが排出されます。牛乳で血液中のカルシウム濃度が急激に上がると、体内のカルシウム濃度をコントロールする機能が働き、大量のカルシウムが尿に含まれるようになります。

牛乳を毎日たくさん飲んでいるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドで、股関節骨折や骨粗鬆症が多い理由はこのためです。

新谷弘美(2005年)「病気にならない生き方」

牛乳摂取量の多い人は少ない人と比べて寿命が短くなり、女性では骨折が増えることがわかりました。これはチーズなどとは異なり、牛乳には糖類が多く含まれているためです。

例えば、1日3杯以上の牛乳を飲む女性は、1日1杯未満の人と比べ、死亡率が90%高く、股関節部の骨折が60%多く、骨折全般では15%多くなりました。

そのため、牛乳の摂取量が多くても骨折の危険性は低下せずに、むしろ死亡率の増加に関連している可能性があります。

British Medical Journal(2014年10月29日)

今までも「牛乳はアトピーや花粉症の原因になる」や「牛乳は乳がんの原因になる」など、さまざま情報が何度もありました。

しかしながら、それらがすべて科学的根拠に欠けていたとおり、今回も牛乳の健康効果を無視して、リスクを極端にクローズアップした内容です。一部の芸能人がブログやtwitterで拡散したことも影響しています。

確かに牛乳に含まれる脂質も過剰に摂取すると、中性脂肪やコレステロールを増やしますし、加工乳などは脱脂乳や生クリームが加えられています。日本人は牛乳の成分を完全には分解できない人が80%以上に達します。

ただ、ほとんど食品において、摂りすぎや偏りは健康を害します。完全栄養食の卵や無害である水でさえ、多量摂取はデメリットがあるわけです。

牛乳200mLには138kcalのエネルギーに、3大栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物が含まれています。ビタミンAやDも含まれていますが、中でもビタミンB2やB12、パントテン酸の含有量が多いです。ミネラルではカルシウムのほかに、カリウムやマグネシウムも摂取できます。

このような99%ある恩恵を一切無視して、1%未満の不確かな情報を信じてしまうと、マイナスのイメージだけが誇張されがちです。基本的にはバランスよい食事と定期的な運動をしていれば、不健康のリスクは上がらないと考えたいです。

カルシウムの体験談

良い

私も含めて「カルシウム=骨」というイメージを持つ人が多く、人体のカルシウムの99%以上が骨や歯の中に含まれていますが、実は血液中や神経中にある1%以下のカルシウムが重要であることが健康診断でわかりました。

私はカルシウムの量が基準値よりも低かったために、意識的にカルシウムを摂取していたところ、慢性的な疲労がなくなりました。カルシウム濃度が改善されて、肝臓や腎臓の動きが活発になったことが考えられます。

普通

カルシウム値の基準値は男女共に8.4~10.4mEq/Lです。血液中のカルシウム濃度は常に一定ですから、この基準値から外れる場合は何らかの異常の可能性が高いです。

カルシウム値が基準値より高値の場合は甲状腺異常や悪性腫瘍、低値の場合はネフローゼなどが疑われ、こうした重篤な疾患のリスクがある場合は早急な精密検査が必要です。

悪い

カルシウムが基準値以下の場合は、カルシウム吸収のために必要なビタミンDが足りていない点も指摘できます。ビタミンDは紫外線に当たることで体内に吸収されるため、運動不足で外に出ない状態が続いていても、ビタミンDが欠乏します。

また、喫煙はカルシウムを大概に排出してしまうため、私のように1日に60本以上のタバコを吸っているチェーンスモーカーは特に注意が必要とのことでした。

カルシウム不足を解消するためには、食事内容の改善、屋外での運動、禁煙が必要です。いきなりすべてを変えることは難しいですが、まずは食事内容に気をつけて、喫煙量を減らすことから始めようと考えています。

悪い

血液中のカルシウムが脳や神経に働いたり、血液の凝固作用などにおいて重要な役割を持っていますし、何よりも人体の中で重要な骨の状態を示す指標にもなるため、血液検査におけるカルシウム濃度は非常に重要なポイントと自覚しています。

私の場合は健康診断の血液検査でこのカルシウムの数値が基準値よりも低かったことが問題でした。はじめにカルシウムの排出に関係している腎機能の機能低下も考えられます。

悪い

私はカルシウムが基準値よりも低く、5.6mEq/Lしかありませんでした。カルシウム濃度が低い場合にはそれを補うために骨からカルシウムが溶け出して血中カルシウム濃度を一定に保とうとしますから、骨密度が低くなって脆くなっていくという危険性もあります。

再検査の際に医師から言われたことは「大前提として普段の食事からのカルシウム摂取量を多くするように気をつけましょう」ということです。

日本人のカルシウム摂取量は欧米と比べても少ないため、意識して摂取しないと必要量をカバーできません。サプリメントで摂取することもありですが、バランスを欠く危険性があるため、医師はおすすめしていないようです。

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公開日公開日 2015.07.27
更新日更新日 2017.05.16
執筆者Kirito Nakano

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