糖鎖抗原19-9(CA19-9) - 膵臓がんを調べる腫瘍マーカー

細胞をつなぐ役割がある糖鎖抗原19-9

糖鎖抗原19-9

糖鎖抗原19-9の健康診断の内容

区分 項目 基準値
腫瘍マーカー 糖鎖抗原19-9(CA19-9) ~37.0U/mL

糖鎖抗原19-9は唾液腺、気管支腺、消化管などの細胞に含まれる物質で、膵臓がんや胆道がんになったときに急上昇します。

糖鎖抗原19-9の「糖鎖」とは、グルコースやガラクトースといった複数の糖が、鎖のように連結した状態です。これが細胞の表面に存在することで、細胞同士をつなげたり、細胞間の情報伝達ができるようになります。

A、B、O、ABの血液型も細胞に付着した糖鎖の種類による結果です。さらに糖鎖にはタンパク質を保護したり、細胞の古さを認識して新陳代謝を促す役割もあります。

一方、糖鎖には白血球やウイルスなど異物が付くことができるため、これが風邪などの感染経路にもなります。そのため、この糖鎖をコントロールする治療薬の研究開発が、現在も続けられています。

このように細胞に密接に関与する糖鎖ですが、がん細胞ができると爆発的に増える糖鎖があります。それが健康診断で測定する糖鎖抗原19-9です。

健康診断で糖鎖抗原19-9を計る場合、αフェトプロテインと同様に採血し、測定器でがん特有のタンパク質の量を測定します。糖鎖抗原19-9の基準値は~37.0ng/mLです。体験者の糖鎖抗原19-9は5.7ng/mLで基準値内でした。過去の4.0ng/mLより少し上昇しています。

糖鎖抗原19-9の結果で疑える病気

結果原因
基準値より高い
  • 体調による影響
  • 慢性肝炎
  • 肝硬変
  • 肝臓がん
  • 慢性膵炎
  • 膵臓がん
  • 胆嚢炎
  • 胆石症
  • 胆嚢がん
  • 大腸がん
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍

糖鎖抗原19-9の健康診断結果で基準値を超えていた場合、肝臓がん、膵臓がん、胆嚢がん、大腸がんなどを疑うことができます。

基準値以上でも100.0ng/mL未満であれば、臓器の炎症、良性腫瘍、消化管潰瘍の可能性が高いです。その場合は慢性膵炎、胆嚢炎、胆石症、慢性肝炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などが考えられます。

判定結果が正常値内でなかった場合は、放置していると悪化したり、すでに治療が必要な可能性もありますので、早めに専門医に診てもらいましょう。

その際はまずは膵臓、胃、肺、子宮に関するがんのスクリーニングを行います。スクリーニングでは主に血液検査やX線検査を行って、それでも異常値が確認できた場合はPET検査やMRIが実施されます。

糖鎖抗原19-9に関する補足情報

信用度が高い糖鎖抗原19-9でも偽陽性は存在する

腫瘍マーカーとは悪性腫瘍から特異的に産生される物質の総称です。例えば、がん細胞の影響で増えていく血液中や尿中に存在する特異物質に、がん細胞の増殖に反応して体内で発生する物質などを組み合わせて評価することで、がん細胞の早期発見やがん治療の効果測定に役立ちます。

しかし、年齢が経過するほど、体中に小さな悪性腫瘍の元は存在していますし、悪性腫瘍ではなくても増える腫瘍マーカーもあります。

その結果、がんではなくても腫瘍マーカーの基準値が超えてしまったり、がんであっても、ある程度の大きさになるまで陽性(+)を示さないケースが散見されます。

その中で糖鎖抗原19-9は精度が高く、良性腫瘍による偽陽性は低いとされていますが、それでも他の要因によって陽性を示すこともあります。

そのため、仮に数値が高かった場合は経過観察しながら再検査を受けましょう。早期発見にはがん検診が望ましいです。再検査で数値が低くなった場合はがんの確率も低くなります。

糖鎖抗原19-9の体験談

普通

糖鎖抗原19-9は消化器系の器官に腫瘍がある場合に陽性反応が出る特徴があり、特に膵臓や胆嚢、胆管のがんで高い数値を示します。主に膵臓がんのスクリーニングの目的で検査が行われます。

私はアミラーゼやHbA1cなどの膵臓系の数値が比較的高いため、糖鎖抗原19-9も気になっています。

普通

糖鎖抗原19-9は膵臓がんや胆道がんで数値が上昇します。ただし、私は基準値である37.0U/mLをオーバーしていましたが、がんではなく胆石が原因でした。また、膵炎などの炎症性疾患でも上昇するそうです。

悪い

腫瘍マーカーは血液検査のみで判定が可能ですので、被験者にとっても負担が軽いです。ただ、その有効性については疑問視する声もあるようです。それは腫瘍マーカーはがんの早期発見が目的であるにも関わらず、腫瘍マーカーでは早期のがんの陽性反応率は低いためです。

そのため、腫瘍マーカーのみではがんの早期発見を行うには不十分であり、一部の医師からは「他の詳細な診断の補助的な役割としての機能でしかない」とも言われています。

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公開日公開日 2011.09.14
更新日更新日 2017.09.03

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メディチェ編集部
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