脂質異常症 - 血液中の脂質が急増!血管が詰まりやすくなる

軽度では無症状のためにまったく気付かない

軽度では無症状のためにまったく気付かない

脂質異常症とは以前は「高脂血症」と呼ばれていた病気で、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールが異常に増えたり、善玉コレステロールが非常に減ったりする状態です。

脂質異常症=脂質+異常(高い)+症状

軽症のうちは自覚症状がないため、健康診断で中性脂肪の増加、悪玉コレステロールの増加、善玉コレステロールの減少を知るしかありません。

脂質異常症になる原因は食事と運動のバランスです。食べすぎと飲みすぎによって、余分なカロリーや脂質を体内に入れ続けることで、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールの割合が増えてしまいます。

例えば、摂取カロリーが多すぎると、体内で悪玉コレステロールが合成されますし、納豆、豆腐、階層、きのこ、大根、にんじん、イワシ、サバなどを食べないと、中性脂肪や悪玉コレステロールを減りにくくなります。

また、運動不足も脂質異常症の大きな原因になります。運動でエネルギーを消費するときには、血中の中性脂肪や悪玉コレステロールを使われますが、逆に運動習慣がない場合は、溜まっていく一方になります。

食事と運動以外では遺伝的要因もかなりの少数派ではありますが、存在します。遺伝性の場合は家族性高コレステロール血症と呼ばれており、乳幼児や若年者でも血液が詰まりやすくなります。

脂質異常症の中期と後期に現れる自覚症状

中期に発症する黄色腫

脂質異常症は基本的には食事による摂取カロリーが高く、運動による消費カロリーが低いといった状態が長年続いて、加齢とともに体重と体脂肪が著しく増加した人によく見られます。

初めのうちは脂質異常症も特別な病気ではなく、自覚症状もないために知らずに進行してしまい、中期でようやく体に異常が現れます。

中期では血管が脂質で詰まってしまうため、肘関節や膝関節、まぶたなどに脂質が漏れ出して、皮膚を侵食し、黄色い塊ができます。これは「黄色腫」と呼ばれる脂質が異常に多いときにできる特有の症状です。

黄色腫は手やお尻などにも発生することもあります。ただし、脂質異常症が中期になっても黄色腫がまったく出ないことのほうが実は多く、結局は後期になるまで放置してしまう人が跡を絶ちません。

後期に発症する重い病気

脂質異常症が後期になり、血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールの値が非常に高くなると、体全体で血管が詰まるリスクが高まります。

脳では脳梗塞を引き起こしやすく、心臓は心筋梗塞になりやすいです。血液が行き届かなくなることで膵臓の機能が低下すれば、膵臓は急激に炎症を起こす急性膵炎となり、刺すような腹痛が発生します。

つまり「血液に脂分が溜まる=全身で病気が発生する」ということです。長期化するほどその確率は上がり、症状も重くなります。

食事療法と運動療法が基本的な治療

脂質異常症は生活習慣病の一種であるため、根本的な治療も生活習慣の改善から始まります。一般的な脂質異常症は主に3タイプに分かれますが、それらのすべてにおいて、まずは食生活の改善が必須です。

1

高LDLコレステロール血症

悪玉であるLDLコレステロールの濃度が高い状態で、60~119mg/dLであるLDLコレステロールの基準値が、140mg/dL以上になると該当します。

生活習慣で数値が改善しなかったり、見込みが薄い場合は薬物療法を実施します。体内でコレステロールが合成されることを阻害するスタチンやコレステロールの分解を促進するプロブコールが有名です。

例えば、スタチン系の1つであるプラバスタチンは1週間分の服用で1,000~1,500円が必要になり、別途初診料や検査費が発生します。

2

低HDLコレステロール血症

善玉であるHDLコレステロールの濃度が低い状態です。40~119mg/dLであるHDLコレステロールの基準値が、40mg/dL未満になると該当します。

喫煙はHDLコレステロールを激減させるために、基準値に戻すためには禁煙は絶対条件になります。動物性脂肪やアルコールを控える以外にも、夕食自体を早めの時間にシフトすることが効果的です。

HDLコレステロールが減る理由は食事の内容にあります。魚介類やナッツ類を積極的に食べましょう。基本的には食事と運動の両方でライフスタイルを改善していきます。

3

トリグリセライド(中性脂肪)血症

体脂肪を作る中性脂肪の濃度が高い状態です。30~149mg/dLである中性脂肪の基準値が、150mg/dL以上になると該当します。

この場合はアルコールの制限や禁止を通告されますし、もちろん、食生活の改善といったアドバイスもされます。

ただ、中性脂肪は運動による影響が大きいです。そのため、体脂肪が消費されやすい有酸素運動は取り組みましょう。特に内臓脂肪は比較的早く減少しやすく、筋トレ後にランニングをすると、数値は減少しやすいです。

それでも中性脂肪が減らない場合は薬物療法に移ります。中性脂肪を減らすベザフィブラートは1週間分の服用で500~700円前後です。それ以外には胆汁酸の吸収を阻害するコレスチラミンなどがあります。

いずれの脂質異常症でも毎年の健康診断を欠かさず、定期的な通院で血液検査を受けることが推奨されています。

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公開日公開日 2014.09.17
更新日更新日 2017.09.23

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メディチェ編集部
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