水晶体が濁り始める白内障!手術は10~40分で日帰りも可能
白内障は水晶体の濁りで起きる
白内障の原因と発症年齢
白内障とは物が白くぼやけて見える眼の病気です。白内障が起こる要因は、水晶体という瞳の後方にある直径約9mm、厚さ約4mmの凸レンズが、段々と濁るためです。
水晶体には外界光を屈折させて、焦点を合わせる機能があり、紫外線の吸収を行うことで、眼を保護しています。元々、透明で柔軟な水晶体ですが、加齢と共に徐々に硬く厚くなって、少しずつ濁りを持つようになります。
加齢による変化として現れた白内障を「加齢性白内障」と呼び、45歳頃から始まり、80歳になると人口の99%は軽度以上の加齢性白内障になっているとされています。
特に糖尿病の方はこの加齢による変化が10年は早く進むことが多く、「糖尿病性白内障」と呼ばれます。
逆に白内障が若年で発症する場合は、アトピー由来のアトピー性白内障、外傷性白内障、風疹の胎内感染による先天性白内障が多く、その他にはステロイドの影響による薬剤性白内障、眼内炎などに併発する眼病性白内障、放射線や紫外線の被曝などによっても発症します。
白内障の初期症状と検診
初期症状では明るくない所で眩しさを感じたり、片目で物が多重に見えたり、遠視、近視の症状が併発することが多く、濁りが増すと共に視界が霞がかったように見えなくなっていきます。
健康診断や定期健診でも眼科医が眼底検査をすることで、白内障が発見できます。最小限の検査は小さな病院でも可能なので、視力に異常を感じた段階で早めに医療機関を受診することをおすすめします。
加えて、白内障単体で発症するというよりも、白内障以外の原因の有無も確認してもらいます。
白内障の診断は難しいものではありませんが、視力障害が進行している場合や合併症がある方は、より精密な検査が必要になりますので、検査機器の揃った医療機関で受診する方が効率的です。
また、白内障の進行の早さには個人差があり、進行スピードが遅いと高齢者では亡くなるまで症状を自覚せずに過ごしている方もいます。健康を自覚していても、1年に1度は健康診断での検査を受け、過去の自分と比較することが大切です。
白内障の治療には手術が必要
白内障の治療には薬物療法と手術の2通りがあります。薬物療法は初期の白内障の進行を予防する点眼が主ですが、明確に治療できるとは定まっておらず、完全な治癒は期待しくにくいです。
一方、白内障を治療する手術は、視力の低下が日常生活に不便をもたらした段階での適応になり、現在ではこちらが一般的です。
白内障の手術では水晶体摘出と眼内レンズ挿入がセットになっていて、濁った水晶体を取り除き、替わりに人工のレンズを入れていきます。
手術時間は10~40分で完了し、日帰り、もしくは数日間の入院で済みます。約3mmの傷を人工的に作りますが、局所麻酔ですのでほとんど痛みも感じません。
ただし、手術前の入念な検査と手術後の感染予防をする眼のケア、退院後の定期的な検診を欠かせませんので、気を使う必要はあります。
近年では手術機器や補助薬の開発で、技術が格段に進歩しており、年間で80~90万の眼の手術例が報告されています。
また、手術の目的は単に眼の機能を回復するというだけでなく、より優れた眼を再生し、さらに便利な生活を実現させることに変化しつつあります。老眼や遠視を発症しにくいといった付加機能を持つ様々なレンズが開発されています。
医師ときちんと話し合いながら、手術後にどんな生活を送りたいのかをあなた自身がイメージして、適切な手術を選択することが大切です。
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