肥満症 - 単なる肥満とは違う!関節痛や高血圧を発症する病気

体に異常があると肥満が肥満症になる

体に異常があると肥満が肥満症になる

肥満とはBMIで25.0以上であると定められています。シンプルに脂肪量や筋肉量問わず、身長に対して過体重であることを意味します。

一方、肥満症とは体重が増えて肥満になり、さらに血圧や血糖値が高いなどの何らかの異常が伴うと肥満症という疾患に認定されます。例えば、膝の関節が痛くなることも、肥満が原因であれば肥満症です。

つまり、肥満は健康を悪化させるリスクはありますが、体に異常がないなら体格の一種であり、特に問題ありません。10~20代の若い人たちはこの傾向が強く、外見が太っているだけでした。

しかしながら、体重や体脂肪が平均以上ある人たちが30代になると、徐々に血液検査や関節に異常が見られるようになります。

具体的には肥満の人の割合は20代で15~16%ですが、30代で約25%、40代で30%前後、50代で30%以上となり、60代以降は下がっていきます。

ただし、肥満の人のうち肥満症である人は、30代から急激に増えます。肥満症の始まりが予想以上に早く、長期間の乱れた生活習慣の結果として、20代に肥満症のベースが育っていき、30代でそれが原因で発症します。

体重に関係なく腹部が出ている人は肥満症に注意

体重が少なくても肥満症になる日本人

BMIで25.0に達していない人、痩せていて普通の体重になった人、痩せていて腹回りがポッコリしている人も、肥満症と診断されることもあります。

これは皮下脂肪が少なくても、内臓脂肪が多いためです。肥満は身長に対しての体重が多いことが条件ですが、肥満症は内臓脂肪が多いと発生しやすくなります。すべての悪循環は内臓脂肪の増加から始まるとも言えます。

内臓脂肪は内臓の周りに直接脂肪が付着しており、顔や体全体を見ても目立ちません。しかしながら、内臓にしっかり脂肪が付いている肥満症であるわけです。痩せている人でも内臓脂肪には要注意です。

内臓脂肪は皮下脂肪と違って、血液に混ざりやすく、総コレステロールや血糖値の上昇を招いてしまいます。皮下脂肪はある程度必要ですが、内臓脂肪は少なければ少ないほど健康的です。

この内臓脂肪の量は体重が多いことや体脂肪率が高いことよりも、腹回りが大きいことに関連しています。内臓が集まっている腹回りは、内臓脂肪の影響が出やすいからです。

そのため、メタボ健診で行われる腹囲の計測に注目します。メタボ診断では男性が85cm以上、女性が90cm以上が基準値オーバーです。

仮に腹囲も85cm以上ではなくても、年齢を重ねて「お腹が出てきた」と感じる人は、体重の多い少ないにかかわらず、生活習慣病を意識したいです。

体重が多い人の肥満症で身体機能が衰える

体重が少ない人の肥満症も問題がありますが、やはり、体重の多い人のほうが肥満症になりやすく、肥満症から高脂血症や高血圧などの複数の生活習慣病を発症する引き金となります。

体重が多い人の場合、体中に酸素と栄養を血液に乗せて届けるにしても、その範囲が広いため、心臓はフル稼働して負担が増大します。その結果、少しの運動をしても動機と息切れが始まるでしょう。

このとき、脳が運動を苦痛に感じることで運動不足を招きやすく、負のスパイラルに突入します。週1回はもちろん、月1回も運動をしなくなります。

皮下脂肪が増えているので、熱が外部に漏れにくく、熱が体内にこもることで、日常的に汗がかきやすくなりますが、この大量発汗は新陳代謝の一種であり、筋肉を動かして脂肪が燃焼するプロセスで出る汗ではありません。

運動不足が重度になると、筋肉が衰えて、関節の負担が増して、関節の変形が発生して、膝を曲げるたびに痛みが発生して、歩くことや立つことが苦手になります。

このように体重が多い人の肥満症は身体機能が衰えていきます。しかも、これは身体機能の話であって、これとは別に血液がドロドロで血管が詰まって、脳梗塞や心筋梗塞になりやすいですし、肝臓や腎臓に脂肪が付着して、内臓機能に支障をきたすことが危惧されます。

治療法は食事療法と運動療法がベスト

基本的には肥満症は食生活の改善と運動不足の解消を行い、それが続かない場合は薬物療法に移行します。薬は食欲抑制剤や脂肪吸収阻害剤などです。

それでも効果がなく、致命的な肥満症の場合は病院で治療することもあります。胃にバイパスを設置したり、胃にバルーンを入れたりして、胃に入る食事量を自然と減らして、食べすぎを抑制します。

例えば、胃を切除する腹腔鏡下袖状胃切除術の場合、費用は40万円前後で、入院期間は約30日間です。健康状態の悪化を伴いますが、手術は10割負担であり、入院のみが3割負担となっています。

ただ、普通の肥満症では食事療法と運動療法を同時に行うことが一般的です。肥満症の根本的な原因は食事量の増加と運動量の減少ですので、食事量を減らして運動量を増やすことが、最も効果的です。

大食いと早食い、高カロリー、過度のアルコール摂取、塩分過多など、すべて禁止となります。食事は1日3回を同じような時間に食べ、栄養不足にならない程度にカロリーコントロールをします。

汗をかく運動も週に1回ではなく、週に2~3回が効果的であり、習慣化もしやすくなります。週1回では残りの運動をしない週6回の影響力が高まりますし、週1回を逃すと次は2週間後で継続する気持ちも萎えます。

逆に週2~3回では筋肉が回復した直後に運動をするため、絶えず筋肉が刺激されて筋力アップから基礎代謝の向上に繋がりやすいです。

簡単に言えば、肥満症は生活習慣病ですので、今までの生活習慣を見なおさないといけません。ただ、糖尿病や脳梗塞などとは違い、食事を減らして運動をするといった努力が改善につながりやすい病気です。

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公開日公開日 2014.08.08
更新日更新日 2017.09.23

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メディチェ編集部
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