糖尿病 - 健康診断では空腹時血糖値とHbA1cをチェック

血糖値が高くなり全身の血管が傷ついてく病気

血糖値が高くなり全身の血管が傷ついてく病気

糖尿病とは血糖値が高い状態が続く病気です。結果的に余分な糖の一部が尿として排出されて、糖尿病と呼ばれるようになりましたが、これは血糖値が高い症状の1つに過ぎません。

糖尿病で深刻な症状とは、体中の血管が傷つきながら詰まっていくことです。血糖値が高くなって糖が異常に増えると、糖はスムーズに血管内を流れなくなり、血管壁に付着していきます。この糖と血管壁にあるタンパク質が化学反応を起こし、活性酸素を発生させます。

この活性酸素が強力な酸化作用で血管を傷つけます。そのあと、傷を治すために血小板が集まりますが、傷が深かったり、傷が頻繁に発生すると、血小板が集まりすぎて、血管が狭くなって、次第にふさがってしまいます。

  1. 血糖値が高い状態が続いて、糖が血管壁に付着します。
  2. 糖と血管壁にあるタンパク質が化学反応を起こします。
  3. 活性酸素が発生して、急速に血管を破壊していきます。
  4. 傷ついた血管を修復しようと、血小板が集まります。
  5. 傷が多くなると血小板も増えすぎて、血管が詰まります。

糖尿病は生活習慣病の代表的な病気です。ただし、生活習慣病は生活習慣の改善で治ることもありますが、糖尿病に関しては現在の医学では完治することが難しい重い病で、生涯付き合っていくことになります。

糖尿病はインスリンの生産量で2タイプに分類される

食べ物に含まれる糖質がブドウ糖に分解され、血液中に流れるために血糖値が上昇します。このときに膵臓からインスリンが分泌され、インスリンがブドウ糖をエネルギーに分解することで、血糖値は平均値まで戻ります。

健康体の人であれば、血糖値は一時的に上下しても、その都度インスリンが分泌されるために、血糖値が高い状態が続くことはありません。

つまり、高血糖が続く糖尿病患者は、膵臓が機能低下して、インスリンの生産量が著しく減った状態です。この糖尿病はインスリンの生産量などにより、基本的には2タイプに分類されています。

1型糖尿病

膵臓にあるβ細胞が壊れることで、インスリンがほとんど分泌されなくなる病気です。原因ははっきりとしていませんが、遺伝や感染症などが関連している可能性があり、一般的には子供や青年といった20歳前に発症します。

日本では糖尿病患者の約5%が1型糖尿病です。1型糖尿病を発症する体形は肥満よりも痩せた人に多く、初期は風邪に似た症状が出たのち、喉が非常に渇いたり、尿が頻繁に出るようになります。

自分でインスリンが作れないため、1日数回インスリンを投与します。病状や生活習慣によって、投与量、投与回数、製剤などは異なります。

2型糖尿病

過食による肥満、日常的な運動不足、ストレス過多などによる生活習慣の悪化から、遺伝的に糖尿病になりやすい人が発病します。

糖尿病の初期ではあまり自覚症状がないために、健康診断で発見されることが多いですが、日本における糖尿病患者の95%は2型糖尿病であり、40~60歳に発病数が急増しています。

早朝の空腹時血糖値が126mg/dL以上、随時血糖値が200mg/dL以上、75gOGTT(ブドウ糖を飲む)2時間値が200mg/dL以上のいずれかに該当し、さらにヘモグロビンA1cのNGSP値が6.5%以上の場合、糖尿病と診断されます。

インスリンの分泌量が低下したり、インスリンを分泌するタイミングが悪くなる、もしくはインスリンが効きにくくなることで、血液中にブドウ糖が残り続け、血管組織が破壊されていきます。

2型糖尿病も食事療法や運動療法に加え、インスリンの注射やインスリンと似た作用のある薬の服用などを継続して行うことになります。

2型糖尿病で生活スタイルが大きく変わる

糖尿病の初期には喉が渇きやすく、尿が出やすくなります。食欲は異常に増えて、食べても満腹感が感じにくいです。そのため、一時的に体重が増加しますが、糖尿病が進行することで今度は急激に痩せていきます。健康診断以外ではこの体重の増減で異変に気づく人も多いです。

体内では食べ物から摂取した糖がブドウ糖になることはできていますが、インスリンによってブドウ糖がエネルギーに変わる工程がうまくいっていないため、体は1日中だるさを感じて、気力が低下します。ケガをするとうまく治らずに化膿しやすくなり、皮膚が弱くて湿疹もできやすいです。

ここまでが糖尿病の初期症状であり、糖尿病の進行を防ぐために処方された薬を飲むことになります。症状が進むと食事前などに、毎回インスリンを自分で注射することになります。

糖尿病では血糖値を安全な範囲にコントロールする生活を意識します。例えば、食事制限に関しても、血糖値が上がりにくい野菜を1日350gは摂らないといけないために、以下のような工夫が欠かせません。今までどおりの暴飲暴食などはできないです。

  1. 1日の野菜摂取量を摂るために、朝食はおろそかにしません。
  2. 1回の食事ごとに野菜を必ず食べます。
  3. 汁物に野菜を入れることで、1日の1/6の量の野菜を摂れます。
  4. 加熱した野菜はかさが減るために、蒸し野菜などを摂ります。
  5. 外食時も野菜中心のメニューを選びましょう。
  6. 野菜は傷みやすいため、気軽に使える冷凍野菜を用意します。
  7. 時間がないときなどは鍋料理で1回200gは野菜が摂取できます。

このような血糖値の上昇を抑える食生活に慣れると同時に、インスリンやインスリンのように作用する薬で血糖値を下げます。これらは常に携行する必要があり、長期間の旅行などでも注射器セットなどを持ち歩きます。

また、血糖値が下がりすぎると昏睡状態に陥るために、角砂糖やキャンディーなども常備しなければいけません。

ただし、食事療法、運動療法、投薬療法で血糖値を日常的に安定することができれば、糖尿病の悪化は防ぐことができます。検査費用と薬代などで自己負担分は毎月1万円前後の出費です。

逆に糖尿病が悪化すると、深刻な合併症が発生します。その1つが糖尿病性腎症です。すでに血糖によって末端の血管に障害が起きている場合、腎臓の機能が落ちてしまい、血液内の老廃物をろ過できなくなります。

その結果、腎臓の代わりに1回4時間以上はかかる人工透析を週3回行って、自分の血液を機械でろ過することになります。

糖尿病性腎症以外にも、視力低下や失明する可能性が高い網膜症、自律神経に異常が出る神経障害なども、糖尿病の合併症の1つです。

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公開日公開日 2014.10.08
更新日更新日 2017.09.23

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メディチェ編集部
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